専攻決定と卒論テーマ

専攻はどのように決めてゆくのでしょうか。人間文化課程に入学した学生は、3年次にいわゆる専攻となる「専修プログラム」を最終的に決定します。それまでに、様々な授業(2年次前期に開講される「人間文化研究」や「ヨーロッパ語圏文化論」など)を履修して、専門の内容に触れることになります。

ヨーロッパ語圏文化Pに興味がある場合は、2年次前期開講の「ドイツ文学講義」(川村担当)や「フランス文学講義」「ロシア文学文化論講義」「英米文学講義」などに参加すると欧米の文学についてのイメージもつかめるでしょう。2019年度、2020年度は1年次後期から履修できる全学共通教育科目「欧米の文学」も川村が担当します。

主専修と副専修

人文社会科学部では、その分野で卒業論文などを書く主専修プログラムと副専修プログラムを組み合わせて卒業単位を取得します。

人間文化課程に所属する学生の場合は、ヨーロッパ語圏文化プログラムを主専修に選びドイツ文学を専門とすることができます。副専修プログラムについては、人間文化課程の各プログラムだけではなく地域政策課程のプログラムを選ぶことができます。

その他にも、「ドイツ語課題解決短期研修(課題解決型国際研修(ドイツ語))」などに参加した学生は、グローバル地域人材副専修プログラムを選択することもできます。この短期研修は、海外(ドイツ)で現地教員による語学コースに参加して、語学能力証明を受けつつ、課題解決型学習を実施するプロジェクトです。JASSOの奨学金8万円を受け取ることができます(年度ごとに可否の条件や人数が変わります)。

専修プログラム決定

2年次後期からは専門的な授業である各演習がはじまります。最初に履修してみる授業としては「ヨーロッパ語圏文化論」と「ドイツ文学講義」が良いでしょう。

「ヨーロッパ語圏文化論」では、ヨーロッパ語圏文化プログラムの教員が交代で各言語文化の紹介、勉強の内容から研究の内容を解説します。最終的には先生方の内から誰かを卒論指導教員に選びますが、この授業の内容と卒論の内容が結びついていると思って良いでしょう。

「ドイツ文学講義」は、毎年3つのテーマの内のひとつを講義しています。2019年度は、メルヒェンとメルヒェン研究史について、2020年度はドイツにおける児童文学史について、2021年度はミヒャエル・エンデと貨幣論について話します。ドイツ文学を専門にする学生だけではなく、地域政策課程や他学部の学生も歓迎します。

2年次後期から履修できる「ドイツ文学演習」などを履修した上で、川村の卒論指導を希望する場合は2年次後期にヨーロッパ語圏文化プログラムを選択してください。ヨーロッパ語圏プログラムは、単にドイツ語だけを勉強するのではなく、ヨーロッパの文化に関する科目や英語関連科目を履修することもできるフレキシブルなプログラムになっていますので、様々な授業に参加していただければと思っています。

3年次から履修できる「ドイツ文化論演習」はドイツの文化や文学などについてどのような卒業研究を行いたいかを考え、実際に調査、発表する授業で日本語で実施します。「ドイツ文学演習」では、年度ごとに詩と散文、戯曲のテキストをドイツ語で読み進めます。

専門の授業に触れた上で2年次後期に「専修プログラム」の希望を提出し、3年次に専修プログラムが決定します。最終的には、3年次後期に卒業論文指導教員とテーマの希望を提出して、卒業論文を書くことになります。

ドイツ文学を専門にして卒業論文に取り組みたい場合には、ドイツ語関連の科目でなくても、欧米の文学、文化関連の科目、その他ヨーロッパに関連する歴史や文化、哲学、コミュニケーション論、ジェンダー論、エスニシティー論等の授業を組み合わせ、各自のテーマを深化させることができるように単位を履修してください。

卒業論文のテーマ

ドイツ語圏の文学に関連する内容を卒論テーマに選んだ学生は、ドイツ言語文化の授業や欧米の文学に関する授業を中心に参加し、教員と相談しながら自らの興味や関心を深めていきます。

ドイツ語圏の作品や作家の研究が中心となりますが、ドイツ語で書かれたテキストと他言語のテキストの比較や、ドイツ語のテキストが異文化と接触する場面で生ずる現象について考えることもできます。

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グリム童話を例に考えてみると、明治時代に初めてグリム童話が日本語へ翻訳された際に生じた改作の内容について研究することもできます。地域的なテーマに関心があれば、『遠野物語』とグリム童話の類似性を指摘することもできるでしょう。

さらにドイツ語圏の文学に描かれた経済思想に着目したり、日本のポップカルチャー(マンガやアニメなど)がドイツ語に訳される際に生ずる現象を考察するなど、研究の可能性は広がっています。

ドイツ語圏のテキストを中心とした研究となりますが、テーマが「ドイツ語圏の文学」を取り巻くものに限定されることで、むしろ考えをまとめやすくなるメリットがあります。具体的な卒論テーマの例を下記に挙げておきます。

卒論テーマ例

   『はてしない物語』における枠物語構造について
   『砂男』における自動人形の表象について
   パウル・ツェラーンの詩における「薔薇」について
   ヘッセ作品に見る「若者」像の変遷
   北欧神話とドイツ語圏の伝承に関する比較研究
   現代日本の演劇に見るブレヒトの演劇理論の影響
   世紀転換期の「都市」表象の特徴について
   プロパガンダとしての戦時児童文学
   「バウハウス」と日本のインテリア・デザイン
   カリオストロ伯爵とペテン師イメージ
   ジェンダー論として見る『ハイジ』
   ユートピア文学の系譜
   19世紀ドイツ文学に描かれた「制服」の効果について
   シュタイナー教育の理念と世紀転換期の思潮について
   スマートフォンを利用したドイツ語学習スキーマ段落

 卒論テーマの例(メルヒェン関連の場合)

   映画『ラプンツェル』のプロットに関する研究
   東北地方におけるグリム童話の再話現象について
   『ヘンゼルとグレーテル』のオペラ化と伝承への影響
   『灰かぶり(シンデレラ)』のプロットの改変過程について
   『白雪姫』に込められた女性観の変遷
   グリムの『メルヒェン』と日本の『昔ばなし』における蛙のモチーフ
   日本のポップ・ミュージックに見られるグリム童話のモチーフ
   ディズニーランドにおけるグリム童話の再生産について

上に挙げた例は、授業の内容や興味深いと考える卒論テーマ、教員自身の研究テーマなどに基づいていますが、こうした例にとらわれず自身が興味深いと考えるテーマを探し出して欲しいと考えています。

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